こんにちは、インテリアコーディネーターの ほんだなつこ です。
先日、北九州市立美術館で開催されていた「磯崎新の原点」展を見てきました。
かねてからこの美術館の建築が大好きで、実は磯崎新氏の作品だと知っていたのですが、今回の展示を通して、より深くその魅力にふれることができました。

森に浮かぶ無彩色の彫刻のような美術館
北九州市立美術館は、緑に囲まれた高台に建つ無機質なコンクリートの建物。
それなのに、まったく違和感がない。
森の中にある大きな双眼鏡のようにも見える独特のフォルム。
色味を抑えた無彩色のコンクリートが、自然の中に溶け込んでいて、なんとも心地よい存在感を放っています。
建物自体は直線的で、四角が突き出したような構成。
色の情報がないぶん、形そのものが強く印象に残ります。



実は、あの建物も磯崎新作品だった
展示会では、北九州市内にある他の建築も紹介されていて、驚いたことに西日本総合展示場や北九州国際会議場も磯崎氏の作品だったことを初めて知りました。
美術館が直線と無彩色で構成されていたのに対して、展示場や会議場はカラフルだったり、丸い開口が印象的だったりと、デザインの幅に感動。
「ああ、これは船だな」「海の近くだからこの形なのか」と、建物と周囲の景色がリンクして、頭の中で風景が再構成されるような感覚になりました。




建築に宿るアートのスピリット
今回の展示で特に惹かれたのが『MOCAのためのドローイング 1981-1983』というドローイング集。
さらさらと描いたようなスケッチの中に、緻密な構成と自由な発想が同居していて、見ているだけでワクワク。
創造力が刺激されます。
磯崎新氏の建築の魅力は、建物だけにとどまらず、その空間に飾るアートや家具までを含めて設計していること。
実際にアーティストに作品を依頼して、建物とアートの一体感をつくり出しているんです。
そして何より、磯崎作品は「名前を聞くだけで、形や色が思い浮かぶ」。
そんなシンボリックな存在感があります。
磯崎新とMOCA
ロサンゼルス現代美術館(MOCA)は、磯崎氏がアメリカで手がけた最初の大規模なプロジェクト。
赤い石張りのファサードが陽光に映え、地下に広がる展示空間が静かに広がっていく構造は、”埋没された美術館”として知られています。
市民が自由に行き来できるように設計されたこの空間は、美術館という枠を超えて、都市と人々を結ぶ場所。
合理性と詩的な表現が絶妙に交わる、まさに磯崎建築の真骨頂です。
まとめ
磯崎新の建築は、空間そのものが一つの大きなアート。
そこに家具や絵画、街並みや風景までが溶け込んで、新しい体験を生み出してくれます。
今回の展示を通して、普段何気なく見ていた建物に新しい目線が加わりました。
そして、自分が関わる空間づくりにも、もっと想像力を働かせていきたいなと感じさせてくれる時間でした。
今回の展示「磯崎新の原点」はすでに終了してしまいましたが、北九州市立美術館そのものは今も訪れることができます。
建物を眺めながら、彼の建築に込められた思想や美意識を感じてみるのも、きっと素敵な体験になるはずです。
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