テレンス・コンラン展

こんにちは。インテリアコーディネーターの ほんだなつこ です。

先日、福岡市美術館で開催されていた
テレンス・コンラン展に行ってきました。

インテリアショップとしての「コンランショップ」は知っていたけれど、
正直、家具をじっくり見たことはあまりなかったかも。
どちらかというと、ちょっとセンスのいい雑貨を見に行くセレクトショップ…という印象でした。


入ってすぐに「あれ、何これ?」

展示会場に入ってすぐ、正面に現れたのはなんと建築用足場のような什器。
単管パイプで組まれたその構造物の中に、家具やパネルが置かれていました。

一瞬、「工事中…?」と思ってしまうようなビジュアル。
美術館らしくもないし、ショップっぽさともなんだか違う。

でも、歴史や家具づくりの考え方など、展示をすべて見終わった時に、「ああ、これがコンランなんだ」と納得しました。


「Plain,Simple,Useful」~無駄なくシンプルで機能的~

テレンス・コンラン氏のデザインに共通しているのは
「無駄をそぎ落とし、機能的であること」

そして何より、「日常の中にある楽しさを、きちんとデザインで形にする」という姿勢。

その思いが、あの展示什器にも込められていたんですね。
最後のエリアまで見たとき、「あの足場もちゃんとデザインの一部だったんだな」としみじみ思いました。


共感ポイント、いろいろ

展示の中では、彼自身のライフスタイルにも触れられていました。

  • 古い建物をリノベーションして暮らす
  • 家のそばに家具工房を作る
  • 野菜や果樹を育てる暮らし

これって、ただの「デザイナーの仕事」じゃない。
暮らしをちゃんと楽しんでいた人なんだなと感じました。

「どこでどのように暮らすかが私たちの幸福と創造性に大きくかかわっていると、私はいつも思っている」
I have always maintained that how and where we live has a profound effect on our wellbeing and creativity.


自然を感じながら暮らしたい、古いものを愛でて使いたいという私のライフスタイルにも近い気がして、
親近感がわきました。


このテキスタイル、どこかで見たかも?

「これ、前にお店の紙袋で見たかも?」
「このテキスタイル、なんか懐かしい感じがする」

展示されていた雑貨やパターンデザインの中には、見覚えのあるものもあって、
ちょっとした再会みたいで嬉しくなりました。
このデザインの紙袋は持ってたもの。


ささった言葉

展示の中には、コンラン氏の言葉もたくさん紹介されていました。
その中で、いちばん心に残ったのがこちら。

「あなたがそれを差し出すまで みな 自分が何を望んでいるのか わかっていないものだ」
“People do not always know what they want until you offer it to them.”

デザインって、単に「見た目を整えること」じゃなくて、
まだ言葉になっていない“ほしい”を形にすることなんだと、改めて感じました。

インテリアコーディネートという仕事をやっていて、この言葉は私にたくさんの”気付き”を与えてくれました。


コンランの家具を見た、というより

今回の展覧会は、家具や雑貨のデザインを見るというより、
「コンランという人の歴史を見た」という印象でした。

暮らしにまつわるすべてをまるごとデザインしてきた人。
その背景には、豊かな感性と、実はすごくリアルな生活者としての視点があったんだなと思います。


展覧会公式情報
福岡市美術館 テレンス・コンラン展

身近な“いいな”の背景に、こんなストーリーがあるなんて。
これから世界を見る視点がまたちょっと変わりそうです。


インテリアコーディネートほんだなのHP

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